SL人吉
- 2014.08.27 Wednesday
- 21:29
たまにしか更新しないブログを、数日立て続けにしかも長いのを更新したおかげで、数日燃え尽き症候群にて書く気が起らず。
旅の記憶が薄れないうちにそろそろ頑張って更新しなければ。
ではラフティングからの続き。
前日までの予定では、ラフティング終了後人吉に戻ってゆっくり昼食をとり、その後人吉から出ている球磨川鉄道という第3セクターの鉄道に乗って、終点の湯前まで行き、そこで観光&宿泊でもしようかと考えていた。
しかしその日の朝、人吉駅でダメもとで尋ねた『SL人吉』の空席が、1席空いていた為、取り合えずその席の確保と、キャンセル待ちを一席予約した。ここまでは前回書いた。
もしSLの席を2人分確保できたら、人吉発〜熊本行の列車なので、当然行き先は終点の熊本まで。
12時過ぎにはラフティングは終了し、ランドアースの本部へ帰着。
行きはちょうど良い時間に列車があったのだが、戻りの列車は1時間に一本。しばらく待たないと人吉に帰れそうにない。
SLのキャンセル待ちの状況を確認するため、一刻も早く人吉駅に戻りたかったので、ここは奮発してタクシーで戻る。
かなりドキドキしながら人吉駅の切符販売窓口へ行き『今朝SLの切符をキャンセル待ちでお願いしたものですが』と言うと、駅のお兄さんはニコニコした顔で『1枚出ましたよ!』と嬉しい返事。
思わず娘と2人でガッツポーズ。
『席はバラバラですけどいいですか?』との問いに『乗れるのなら何でもいいです』と即答。
大人気の列車なので、切符は1か月前の発売日にすぐ売り切れることでも有名。なのでこのお盆休みの繁忙期に、予約なしの飛び込みで乗れるだけでも奇跡的。
『SL人吉』の出発時刻は14時38分。
出発前のホームは家族ずれや見物の人たちで大賑わい。
磨きこまれたSLと、和風でレトロな客車がとてもいい雰囲気の『SL人吉』
一番前と一番後ろの車両は皆が座れる展望車になっていて、流れる風景を楽しめます。
煙突からは黒い煙と下から白い蒸気をはき、側にいるだけで熱気を感じ、まるで生き物の様な存在感。
機関士と機関助士の方も汗だくですが、とても楽しそうに誇りを持って仕事をされているのを身体全体から感じました。
SL牽引の列車に乗るのは人生において実は2回目。
今の娘の年齢より小さかった頃に、祖父に静岡の大井川鉄道へ連れて行ってもらった事がありました。
その時のSLはC11型。小型の蒸気機関車でしたが今でもしっかり記憶に残っています。
ちなみにその大井川鉄道のC11は、現在機関車トーマス号として人気を集めています。
『SL人吉』をけん引する機関車は8620型、大正11年生まれの92歳。
92年前に製造された機械がいまだに現役で動いている、それだけでも感動ですよね。
緑の山々と球磨川が織りなす沿線の美しい風景にうまく溶け込んで、なんとも絵になる列車です。
人吉〜熊本間を約3時間かけてゆっくり走ります。
途中各駅ではさながら記念撮影大会の様相。
娘と席は離れてバラバラでしたが、僕を含めてあまりじっとしている乗客は少なく、前へ行ったり後ろへ行ったりウロウロ。
娘はラフティングではしゃぎ過ぎて、せっかく乗ったのに途中から爆睡・・・赤ん坊の頃から乗り物に乗るとすぐ寝る子でした。
乗っていて風景を見ながら感じる事。
それは『沿線の人達にとても親しまれ愛されている列車だなあ』という事。
とにかく大勢の人が列車に向かって手を振ってくれるのです。
子供たちをはじめ老若男女問わず、信じられないくらい多くの人がこちらに向かって笑顔で手を振ってくれるのです。
ただ単に列車が走っているというよりは、SLが頑張って走っている姿を、まるで生き物の様にみんなが暖かく見守っているかのようでした。
列車から手を振りかえす僕達も当然笑顔。見知らぬ者同士が笑顔で手を振りあえる、そんな暖かい気持ちにさせる乗り物でした。
17時半頃に熊本到着。回送されていくSLを最後まで見送り改札を出る。
とりあえず市内中心部に出よう!と乗った市電はババ混みで、今までの優雅な旅から一転、一気に疲れた。
さて、今夜の宿探し。