週の始まり月曜日、一番憂鬱で慌ただしい出勤前に、仕事場へ持ち込むべく、早速イモラのセルモーターを車体から取り外す。
車体左側にかなり自己主張をしながら付いているセルモーター。
外すボルト&ナットは、取り付けボルト2本、B端子ナットの計3本のみで、セル本体をエンジンから外すのに、ものの5分もかからない。
この整備性の良さはグッチの長所の一つですね。
仕事の合間に単体で作動テスト。
イモラが島に来た頃、同じようにセルが回らず、取り外してテストしたことが有りましたが、その時は単なるバッテリーの電圧が足りなかっただけの早とちり。
まさか、今回もそのパターン?などと考えながら、バッテリーに直結。
マグネットSWは作動し、ピニオンは飛び出るが回転しない。
『ダメだこりゃ』と諦めて、さっさと分解。
普段仕事で日本車のセルモーターは良くばらしますが、グッチのセルモーターは、made in Englandのルーカス製。
同じセルモーターでもお国が変われば、作りも変わるで勉強になりました。
本体とピニオンハウジング、ブラシホルダーカバーの取り付けネジが各2本、それぞれ頭がマイナスで、これを緩めるのにまず手間取る。
貫通ドライバーで頭をたたいても回らず、結局ショックドライバーで外しました。まあ折れなくて幸い。
開けてみれば、あらら錆びガビ・・・
どうやらピニオンハウジング、ブラシホルダーカバーと、本体の接合部の合わせ目から水が入って錆が広がった感じがする。接合部にはOリングも何も入ってないから仕方ないけど。
これまで雨天走行は殆ど無いのですが、濡れた路面などからの水はねなどが原因かも。加えて種子島の雨水。周囲を海に囲まれた島では、雨水自体に含まれる塩分濃度が、本土などに比較し、かなり高いと思われます。
しかも湿度も非常に高いので、侵入した雨水の抜けが悪いとこんな風に酷い錆びが発生します。
ブラシの消耗はそれほどでもなく、まだまだいけそう。
ローターの接触面も綺麗なもんです。まあ日常的に酷使される商用車では無いので、セルモーター自体への負荷は殆ど無いはず。
ローターの側面にブラシを接触させるタイプが通常ですが、こんな風にローターのスラスト方向にブラシを押し付けるタイプは、日本車では殆ど見た事無いですね。
それから、ローターの軸を受ける部位にベアリングは使われていなくて、真鍮ブッシュのみ。
それにしても、でかいセルモーターですな。
たまたま入庫していた国産軽トラのセルモーターと比較しても、イモラのセルモーターの方がデカい!
350ccの2気筒エンジンにはかなりオーバースペックだと思われますが、イモラより大きい排気量のエンジンに使用することも考慮されて作られているのでしょうか?500ccのモンツァなんかも同じモーター?
とはいえ、質実剛健なつくりと存在感で、安心感ありますね。
ブラシ、コンミテータ、ローターコイル、ステーターコイルにも焼損は見られず、摺動部も特に問題なし。
恐らく原因は、ブラシホルダーカバー〜本体〜ピニオンハウジング、各接続部の錆によるアース不良の可能性が大。
高温多雨で湿度も高く、塩害も大な種子島では、ちょくちょく見られる症状です。
各部錆を落とし、特に接合部は念入りに磨いて、グリスアップ、借り組してテスト。
フラッシュたいて写したら、部品の汚さがバレる(泣)
『ギュイ〜〜ン』と元気に回りました!まあ多分大丈夫。
わざわざ仕事場にデジカメ持って行ったので、ついでに撮影。
今日の『良く頑張ったで賞』
セルモーター大きさ比較をした軽トラ。入庫理由はクラッチ交換。
『畑で車が動かなくなった』との事で、ミッションを下して笑ろた。
クラッチディスクのライニングが全て無くなって、右の新品部品と比較しても分かるように、鉄板のみの状態に。
普通、こうまでなる前に自走不能になるか、ディスクが破損したりするもんだが・・・
ここまで綺麗に使い切るのは、なかなかのモノ?